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知的財産を生み出す研究開発活動としてのオープン・イノベーションへの期待と課題

[2006/09/07]


 知的財産を生み出す源泉である企業の研究開発活動に関し,従来の社内リソースを使った従来型に加えて,外部リソースと連携したオープン・イノベーションが有力手段として認識されるようになってきた。しかも,その手法は大学や公的研究機関との連携,企業間のアライアンス,あるいは技術の国際標準化など,選択肢の多様化・高度化が著しく進んでいる。このような状況に対し,知財を媒介とするオープン・イノベーション戦略における課題と解決策を探る動きが関連分野の専門家の間で活発化している。
 その1つとして,2006年9月15日に東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開かれる「イノベーション・ジャパン フォーラム 2006」の企画プログラムB31「企業経営から見たオープン・イノベーションへの期待と課題では,問題点の指摘とその解決に向けた提言が行われる。この企画プログラムでは,企業経営の現状としてオープン・イノベーション活用への流れとその促進に向けた現状の課題,個別の各論での問題点とその解決策に関する提言,オープン・イノベーションと知財経営に関する将来展望などが議論される。

経営視点の分析から専門家による個別課題まで多岐に渡る議論を展開
 基調講演として富士通の経営執行役,法務・知的財産権本部長兼安全保障輸出管理本部長である加藤幹之氏が「企業経営の視点で見たオープン・イノベーションの現状とその拡大に向けて」と題して講演する。企業経営の視点で見た知的財産戦略の役割と重要性,その主軸たるオープン・イノベーションの促進に向けた提言を行う。特に,オープン・イノベーションの具体的なシーンである企業間のアライアンスや国際標準化活動において,知財や法務の観点で留意すべき点などを議論する。

 西村ときわ法律事務所の弁護士である寺本振透氏は「オープン・イノベーション推進に向けた法律上の課題とその解決への提言」と題して講演する。大学教員に由来する知財権など,オープン・イノベーションに関連した契約関係,法的権利の確保と整理などに向けた課題と,企業のリスク・マネジメントの方向性について提言する。

 金・張法律事務所の弁理士である李 中熙(LEE,Jung Hee)氏は「オープン・イノベーションの新しいパートナー,アジアとの連携に向けた課題とその解決策」と題して講演する。技術力で日本と肩を並べた韓国などのアジア地域への進出戦略では,従来の製造拠点としてだけではなく,オープン・イノベーションの新しいパートナーとしての役割に注目が集まるようになっている。このような韓国を中心としたアジアの企業や研究機関とのアライアンス戦略のおける現状と課題,さらに各国の制度的な留意点について分析し,その対策を提言する。

 三好内外国特許事務所の常任相談役・弁理士である柴田勝隆氏は「オープン・イノベーション推進に向けた特許上の課題とその解決への提言と題して講演する。知財権を媒介とするオープン・イノベーションやアライアンスにおいて技術の評価が重要であり,法的な面と技術的な面の双方に長けた弁理士の存在が欠かせない。そのような弁理士から見た各事業のオープン・イノベーション戦略やアライアンス戦略の実状と課題を提示し,その解決策の方向性を議論する。

 新日本監査法人の公開業務本部・公認会計士である安斎裕二氏は「イノベーション系,知的財産系企業の直面する財務上の課題−企業体の設立から株式公開,その後の成長に向けて」と題して講演する。LLP,LLC,中間法人などの新組織導入,SPC,信託を利用した資金調達と資産活用の「アウトソーシング」など,企業にとっての「ツール」は増加しているが,どのツールがどの事業に最適なのかを誰一人として答えられないに状況になっている。また,株式公開や税務諸規定,新会社法,内部統制といった「ルール」は複雑化しながら運用状況が激しく変化しており,それを理解して事業に適切に当てはめることが至難の技である。このような「ツール」と「ルール」を概観し,成長戦略を財務的にどのように組み立てていけば良いかを探る。

 レイテック情報システム事業部開発1Gの垂井禧武氏は「オープン・イノベーション推進に向けた経営情報の戦略的な活用法とそのためのシステム活用術」と題して講演する。オープン・イノベーションを推進するに当たって,重要特許の評価・分析・管理を通じて知的財産を価値付けしてデータベース化し,企業の経営情報として戦略的に活用することへの関心が高まりつつある。これに向けた経営情報の活用法とそのためのシステムの活用術を提示する。

 以上の総括として,経済産業省産業技術環境局技術振興課長で同省・前知的財産政策室長の住田孝之氏が「オープン・イノベーションと『知財経営』」と題して講演する。知財経営やオープン・イノベーションについて,専門的かつ統括的な立場から,将来に向けた提言や期待を述べる。オープン・イノベーション時代の政策や企業経営の方向性,より広い意味での知財経営のあり方などを提言する。


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